公益社団法人二本松青年会議所

理事長所信

PRESIDENT BELIEF

はじめに

日本の長い歴史の中でつくりあげてきた繊細な和の文化。
そこに息づく、人の気持ちに寄り添いながら、相手を慮る和の心や礼節、秩序は今日も私たち日本人の日々の生活の中に深く根付いております。
そして二本松青年会議所の歴史においても、先人たちが抱いてきた次代を思う温かく、
徳溢れる心は44年の時を越え、私たちの心に連綿と受け継がれております。
私は日本人であり、二本松青年会議所の会員であることを心から誇りに思います。

二瓶 明子

公益社団法人 二本松青年会議所
第45代理事長 二瓶明子

1974年2月24日
二本松青年会議所が創立されました。
以来、英知と勇気と情熱をもって郷土のために未来を切り開いてきた先人たちの努力と強い意志に心から敬意を表します。そして、その努力と強い意志は、私たちの歩むべき道すじを照らしてくれました。
2018年、私たちを取り巻く社会や環境が急激に変化を続けている中で、10年後20年後の未来を思い描いてみましょう。未来図に描かれた郷土は健全な発展を遂げているでしょうか、和の心から成る美徳は市民の心に宿り続けているでしょうか…
先人達が私たちの道を照らしてくれたように、私たちは10年後20年後の二本松を希望の光で照らすべく行動を起こさなければなりません。
自らが原動力となり、市民自らがつくる美徳溢れる豊かな二本松の実現へ向け歩みを進めて参ります。

市民と共に未来への扉を開けよう

私は二本松が大好きです。
智恵子抄に詠われた安達太良山と阿武隈川を有する美しいまちです。
私は安達太良山の麓、岳温泉で生を受け、大人になり家業である旅館を営んでおります。旅館は私で7代目であり130年という長い年月、旅館を続けることが出来ております。それは安達太良山からの自然の恵みである温泉という宝があってこそ、そして、幾度の大災害を乗り越えて温泉を守ってこられた先人のご苦労があってこその今なのだと、身に沁みて感じております。だからこそ私は岳温泉・二本松の歴史に誇りをもち、郷土愛と同時に、地域に対する責任も感じています。この思いは二本松に住まう皆がそれぞれの地域において私と同様に感じていることだと思います。しかし、その愛する郷土は今を生きる私たちが守り、発展させていかなければ衰退の一途をたどるのです。JCや行政の努力だけで守れるものではありません。「まちを守るには、市民一人ひとりが当事者であるという自覚を持ち、立ち上がらなければならない」このことを市民一人ひとりが気づき、まちの発展に対する問題意識と責任を持っていただけるよう、市民を巻き込んだまちづくりを進めて参ります。
明るい未来への扉の鍵は、市民一人ひとりの手の中にあるのです。

45周年を迎え、更なる未来へ

2018年、二本松青年会議所は創立45周年という節目の年を迎えます。理事長を拝命するにあたり、これまでの先輩たちの運動の記録を改めて拝見いたしました。
残された記録写真には満面の笑顔の子供たちとその横で微笑む先輩たちが写っており、議案書からは熱い情熱が感じられました。素晴らしい事業が開催され、この地域に大きく貢献されたことはその記録から疑う余地もありません。しかしその笑顔や喜びの陰には様々なご苦労があり、その度に流した汗や涙こそが今の私たちの指標であり、私たちを奮い立たせてくれる源泉でもあります。二本松青年会議所が44年間このまちで活動を続けてきた意味をしっかり考え、受け継がれた運動を原点とし、日々変化する時流に寄り添いながら、45年目、そしてその先の未来へと繋がる足跡を残して参りたいと思います。

命の尊さを学ぶ二本松少年隊の顕彰

新しい国づくりへの転換期となった戊辰戦争が終結し150年。
郷土を守るために幼い少年たちは散っていきました。誰かの命と引き換えに得る平和など私は求めません。戦争のない今日の日本では、二本松少年隊のことはまるで架空の昔話のように感じている子供たちも少なくありません。私たち大人も残酷な史実からは目を背けてしまいがちです。それゆえ、二本松少年隊は積極的に広まることはあまりありませんでした。しかしながら、過去の悲劇から目を逸らしてはなりません。現代の日本には多くの命が失われる戦争はありません。しかし、子供たちは穏やかな心で毎日を過ごしているでしょうか。いじめや自殺、家族間の殺人など悲惨なニュースが連日報道されています。世界に目を向けてみれば、必ずどこかで紛争が絶えることなく起きており、多くの命が日々失われています。子供から大人になるまでの過程で何を学び、何に価値を置き、何を大切にするのか。未来の希望である子供たちを人の道から外れることのないよう、私たち大人が子供たちと真剣に向き合う時間が必要です。「命とは大切なものです」と言葉で理解するのは簡単です。言葉だけでなく、一人ひとりが心から命の大切さや生きる喜びを実感できるよう、創立以来、継続してきた二本松少年隊の顕彰事業を通し、子供たちに命の尊さを伝えて参ります。さらに、このまちの歴史と文化に触れてもらうことで、郷土を愛する心を未来に継承してくれることを願います。

心を育む青少年育成

「陰徳」という言葉があります。辞書をひくと陰徳とは人知れず徳を積むこと、人に知られない善行のこととあります。子供たちには「誰かに褒められる喜び」ではなく、「誰かの喜ぶ顔を見ることができる幸せ」を感じるような人になってほしいと思います。例えば、お年寄りが階段でつらそうにしていたら、手を取り階段をのぼるお手伝いをしてあげたり、筆箱を忘れた友達がいたら自分のものを自ら進んで貸してあげたり、どちらもささやかな事ですが、徳溢れる優しい行動です。このような他者を思いやれる行動を人知れずとも、とっさに行える徳を積んだ大人へと成長してもらうために、心を育む青少年事業に力を入れ「人としての美徳」を子供たちに伝えてまいります。一人ひとりの陰徳が日本のため、世界のためとなり、そして、この二本松を明るく豊かにしてくれると信じております。

強くしなやかな人財と組織づくり

人は財産であり、夢を叶える力を持っています。そして人が集い組織という大きな生命体が形成されます。しかし、生命体が夢を追わず、現状維持を目的とするならば、その生命体は衰弱してしまいます。
本年は、常に目的意識を持ち、未来を見据えたフレキシブルな人財・組織作りを目指します。「物事とは常に変化し続けるもの」であることを理解し、どんな状況でもフレキシブルに対応し、変化を嫌わず、新しい挑戦だと前向きに受け入れられることが組織の成長には重要だと考えます。そして順境である時も逆境である時も、自分自身を高める好機であると捉え、感謝の気持ちと和の心からなる利他の精神を備えた、強くしなやかな人財育成に力を入れます。さらに、まちを良くするためにはより多くの仲間が必要です。はじめは営利目的でない団体への参加に価値を見いだせない人も少なくありません。しかし、このまちを良くしたいと願う心は市民であるなら皆同じだと思います。市民の心の扉を開くべくJCの魅力を多くの人に届け、会員の拡大に力を注ぎます。地域を変える原動力は志を持った青年であります。

おわりに

JCは私に「人類への奉仕が人生最善の仕事である」ことを教えてくれました。より良い奉仕活動のために、議論を重ね、不安な心や喜びを仲間と共有し、たくさんの苦い涙も汗も流し、眠れない時間を過ごすこともありました。でもそのたびに支えてくれたのはそばにいてくれた仲間でした。困ったならば手を借り、時には手を貸す、そうやって仲間と壁を乗り越えてきました。その結果、JCは私に、何十年先も友と呼べるような仲間との本当の友情と、心を磨く機会を与えてくれました。利己的だった考えから、人のために生きる、地域の為に生きる、人間とはいかにあるべきかを教えてくれた二本松青年会議所に心から感謝をしております。そして、私たちの成長こそが、今まで勉強させていただいた仲間と家族、そして市民への最大の恩返しになると考え、地域で輝くJAYCEEではなく、地域を輝かせるJAYCEEへ成長することをここに誓います。

2018年、メンバーが流した涙や汗がいつか花を育て、二本松に咲き誇ることを信じて。