公益社団法人二本松青年会議所

理事長所信

PRESIDENT BELIEF

はじめに

私は高校卒業後、東京の専門学校へ進学し、31 歳で二本松へ戻ってきました。その後、家業に就く傍ら、縁あって32 歳で二本松青年会議所に入会しました。当初は、青年会議所がどのような団体で、どのような活動をしているのかもよく分からず、入会後1 年ほどはあまり参加していませんでした。

そんな中、私の意識を大きく変える2 つの転機がありました。一つ目は、祖母が亡くなったことです。おばあちゃん子だった私は、祖母が大切にしていた仕事や地元に目を向けることで、自分がいかに狭い視野で生きていたのかを考えるようになりました。二つ目は、2019 年のブロック大会に参加したことです。そこで青年会議所という団体が地域においてどれほど大きな影響力を持っているかを知り、私もその事業に携わってみたいと思うようになりました。

青年会議所は、多様な背景や価値観を持つ仲間が集う場です。一人ひとりの個性や強みを尊重し協働していくことが、組織の力を最大限に発揮する鍵であると信じています。どのような立場や考えを持つメンバーであっても、前向きに挑戦できる環境をつくりたいと考えています。すべての人が活躍し、輝ける社会の創造に向けて、JAYCEE としての誇りを胸に、2026 年も運動を進めてまいります。

松本 健二

公益社団法人 二本松青年会議所
第53代理事長 松本 健二

新たな価値の創造

私にとっての理想の地域とは、子どもの頃に過ごし、肌で感じていた地元の姿です。当時は、地元や周辺地域にいくつもの遊び場があり、人通りも今より多く、まちには活気がありました。地域のあたたかさやにぎわいの記憶は、今でも私の原動力となっています。しかし、時代の流れとともに暮らし方や価値観も大きく変化しており、あの頃のまちの姿が戻ってくることはありません。だからこそ、私たちは今の時代にあった新しい地域の魅力を創り出していく必要があります。それを形にしていくのは、同じ志を持った仲間の存在です。一人では成し遂げられないことも、周囲を巻き込み、想いを共有することで、大きな成果へとつなげることができます。

二本松青年会議所は、公益事業を通じて地域の課題に向き合い、人と人、人と団体がつながり合える場を創出します。そして、二本松がより多くの人にとって「ここに暮らしてよかった」と思える理想の地域となるよう、その起点となる組織運営を推進してまいります。

多様な人々が尊重される社会の実現

2025 年時点で、障がいのある人は日本の総人口の約9.2% に相当し、軽度で周囲からは気づかれにくい方々を含めると、さらに多くなると考えられます。そのような中で共生社会の形成に向け、インクルーシブ教育の普及につながる多様な学びの場を提供し、大多数と異なることを理由に排除されることがない社会を目指していく必要があります。互いの個性や能力を認め合い、自分らしく生きることができる社会の実現を目指し、マイノリティに対する理解促進と偏見の解消に取り組んでまいります。私たちがまず率先して一歩を踏み出し、挑戦する姿勢を示すことで、地域にも新たな意識と変革の芽が生まれると信じています。

小さな挑戦の積み重ねが、やがて大きな社会変革へとつながっていく、その信念を胸に、運動を力強く展開してまいります。確かな正解がない課題だからこそ私たちは互いに学び合い、より良い地域の姿を描いていく必要があります。「明るい豊かな社会」の実現に向けて、変化の起点となるべく次代へとつながる希望を創り上げてまいります。

二本松少年隊の顕彰

二本松市内の小学5・6 年生を対象に行っている二本松少年隊顕彰授業は、本年で12 年目を迎えます。この事業は、戊辰戦争という時代の中で、郷土を守るために命を懸けた少年たちの史実を通じて、命の尊さや郷土への誇り、そして人としての在り方を子どもたちに伝えるものです。

私たちは、地域の未来を担う子どもたちが、二本松というまちに誇りを持ち、「このふるさとを大切にしたい」と思える心を育むことこそが、地域の持続的な発展につながると信じています。また、私たち自身が講師として史実に触れ、語り継ぐ立場に立つことで、改めて二本松少年隊の意義や、地域に根ざす歴史と向き合う機会にもなっています。伝える側としての責任が、私たち自身の郷土愛と使命感をさらに深めてくれています。

地域の歴史を風化させることなく次世代へとつなげていくことは、今を生きる私たちの大切な役割です。私たち二本松青年会議所は、この顕彰授業を通じて「郷土を愛し、人を敬う心」を育む地域づくりを推進してまいります。

    

秋の風物詩事業

かつて「二本松少年隊花火大会」として始まり、東日本大震災をきっかけに復興への願いを込め「福幸祭」と名を改めた秋の風物詩事業も、2026 年で16 回目の開催を迎えます。二本松青年会議所が主催するこの事業は、今では多くの市民に親しまれる存在となりました。しかし、物価高騰による事業費の増加、雨天時の開催場所や駐車場の整備、会員数の減少による運営負担の増大など、様々な課題が生じています。これまで事業のなかで目を背けていた部分にも改めて向き合い、変化を恐れず、新たな挑戦へと踏み出すべき時を迎えています。

これまで積み重ねてきた経験や地域とのつながりを大切にしながら、「地域に本当に必要とされる事業とは何か」「青年会議所だからこそできる事業とは何か」を問い続けていきます。そして、持続可能な形で地域に喜ばれる事業を継続していくために、より良い在り方を模索しながら計画を進めてまいります。

会員拡大に繋げるために

全国的にも青年会議所の会員数は減少傾向にあり、二本松においても年々その数は減り続けており、このままでは数年以内に組織の存続すら危ぶまれる可能性も否定できません。事業を継続し、運動を展開していく上で会員拡大は欠かせない重要な要素です。

しかし、私たちが会員拡大に取り組む本質的な理由は、「会員数を増やすこと」ではありません。地域の課題を解決しより良い社会を築いていくために、志を同じくする仲間と共に成長し、行動していくことこそが私たちの拡大の目的であるべきです。青年会議所の価値を私たち自身が深く理解し、その魅力や可能性を、自信を持って発信していく。その先にこそ、共感を得られる仲間との出会いがあり、組織の未来が切り拓かれていくと信じています。

ともに学び、ともに成長しながら、地域を巻き込み、未来を動かす。そんな力強い仲間との出会いを信じて会員拡大に取り組んでまいります。

    

事業の構築から魅力ある地域づくりへ

二本松青年会議所の発足以来、諸先輩方が紡いできた数々の事業と経験は、私たちの活動・運動の土台となっており、新たに事業を計画する際には過去の事業を参考にすることが多くあります。しかし、その積み重ねに安住することなく、時代に即した新たな価値を創り出していかなければなりません。

事業を構築するにあたっては「誰に対して、どの様な事業を行いたいのか」を明確にし、背景や目的を見失わず、ぶれのない根幹を持つことが大切です。そうでなければ、私たちの想いを周囲に伝え、共感を得ることはできません。青年会議所が地域にとって価値ある運動を展開し、必要とされる組織であり続けることこそが、魅力ある地域づくりの実現へとつながっていきます。

結びに

人は新しいことに挑戦するとき、無意識のうちに自ら行動に制限をかけてしまうことがあります。青年会議所であれば、入会したときや新たな役職に就いたとき、事業を計画するときなど、ついできない理由を探してしまう場面もあるでしょう。しかし、心にブレーキをかけたままでは、本来の力を発揮することはできません。そんなときこそ、自分の心に向き合い、まずは目標を明確にし、一つひとつ課題を解決していくことが大切です。

青年会議所で活動できるのは、40 歳までという限られた時間です。立ち止まったままでは、次に同じ機会が巡ってくるとは限りません。心のブレーキを外し、一歩を踏み出すかどうかを決めるのは自分自身です。仲間とともに、笑顔あふれる二本松の実現に向けて、挑戦しよう。